元気な発酵人 vol.14

長野調理製菓専門学校:実習部長 増山俊之さん

長野調理製菓専門学校 実習部長を務めている増山俊之さん。他にも、日本料理専門調理師として、調理実習や調理理論を担当していらっしゃいます。今回は、「できるまでコツコツ努力する」をモットーに学生たちへの指導を行う増山さんに、発酵レシピコンテストの審査員を務めていただきました。

発酵レシピコンテストに審査員として関わって感じたこと

私が勤めている長野調理製菓専門学校の学生も応募していましたが、学生にとって、発酵食品の勉強をする良い機会になったのではと感じています。普段食べているものが実は、長野県の名産品だったと驚く様子も見受けられてたので、改めて魅力を発見してもらえたと嬉しく思います。ただ、発酵食品をたくさん使ったレシピ制作は難しかったのかなと感じました。例えばですが、昆虫食を取り入れるともっと面白かったと思います。実は、蜂の子の甘露煮はチーズとの相性が良くてワインの良いおつまみになるんですよ。発酵食品のレシピというと野沢菜やチーズに寄ってしまいがちですが、他の県産品も使うとより幅が広がったのかなと。

発酵食品の魅力について

季節感を上手く利用した加工食品が多いのが魅力だと思います。だからこそ飽きが来ない。実は、味噌も野沢菜も寝かせる時間によって味がどんどん変わっていくんですよ。味の移ろいを感じることができるのは、発酵食品ならではで面白いです。近頃、野沢菜の漬け方を知らない若者が増えてきたのは少し残念ですね。昔の家庭では、お茶と一緒に野沢菜を食べるのが日常でしたが、食卓にそこまで上がらなくなった事が要因なのかなと思います。

伝えていきたい食文化

長野県は日常的に発酵食品を取り入れていることも全国トップクラスの長寿県と言われている1つの要因だと思います。この食文化を絶やさないように、若い世代にも繋げていきたいと常に考えています。本校では、食品加工の勉強で味噌や甘酒、野沢菜漬けなどの県産品を作る工程などを学んでいます。知識としてだけではなく、実際に手を動かして体験することも食品へのより深い理解に繋がると思います。

教育者として

私は、「できるまでコツコツ努力する」をモットーにしていて、それを学生にも伝えています。学生に、「料理のコツを教えてください」と言われることが多いのですが、コツは学ぶ中で自分なりに発見することが重要だと思っています。何事にも近道はないんですよね。今でも卒業生が店を出したり活躍をしている報告を聞くと嬉しくなります。調理師への道は簡単なものではないですが、今努力していることは必ず役に立つので、コツコツ日々の積み重ねをしていってほしいですね。

元気な発酵人!

創立60年の伝統を誇る食文化の専門校で、実習部長として調理師養成教育を行う増山さん。指導を通して、料理と発酵食の素晴らしさを次世代を担う学生たちに伝えています。  

増山俊之さんが講師を務められている 長野調理製菓専門学校のHPは下記URLから!